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日本人の発想に驚き感謝すること。食事編。

日本人の発想に驚き感謝すること。<<食事編>>

街を歩けば中華料理店、洋食屋、インドカレー店など、さまざまな国の料理を目にしますね。

どの料理も美味しそうですが、実はそのメニューのなかには、日本が発祥だったという意外な料理も多くあります。

日本人は当たり前に食していますが、その発想に海外の人は驚愕し、絶賛しているのです。

今回はそんな驚きの日本発祥のメニューを紹介します。食事する際のうんちくに使ってみてください。

珈琲に氷

暑い季節にアイスコーヒーは麦茶に並んで日本の定番ですね。実は、このアイスコーヒー、日本発祥の飲み物とも言われているんです。

日本人がアイスコーヒーを飲み始めたのは、明治時代。

著作家である石井研堂の明治事物起源』の中に、治24年に訪れた氷店のメニューに「氷コーヒー」と記載されていたという記述が残されていたことから、その当時の日本では既にアイスコーヒーが飲まれていたことが考えられます。

しかし明治時代の当時の日本人達は当時、氷の影響でコーヒーが薄まることを避けるため、ガラス瓶にコーヒーを入れ、冷蔵庫の代わりにそれを井戸水に浸して冷やしていたといいます。

大正時代に入ると喫茶店のメニューに登場し始め、当時は「冷やしコーヒー」と呼ばれていました。ちなみに大阪では現在でも「レイコ―」という呼び名がいまだに使われることがあります。

コーヒーと言えば欧米人が好んで飲むイメージがありますが、欧米ではアイスコーヒーを飲む習慣がほとんどありません。珈琲に氷を入れるなんて,信じられない飲み方だと思っている方が多いのです。

日本でアイスコーヒーが定着した理由は、夏になるとすいかやきゅうりを冷やして食すなど、「冷やす」という文化が一般的だったからと考えられます。

欧米には「冷やす」文化があまり浸透していないのですね。そのため、「日本は世界一アイスコーヒーが飲まれている国」であるともいわれています。

ラテに抹茶

健康志向の強いニューヨーカーやL.Aの人たちに、今、日本の「抹茶」が大ブームとなっています。

抹茶には、脂肪燃焼やアンチエイジングに効くカテキンや美肌効果のサポニン、リラックス作用のテアニンといった栄養素が含まれています。

特にテアニンのリラックス効果は、コーヒーよりも優秀とされ、仕事により集中できるとして、ビジネスマンを中心に抹茶が好まれています。

海外での抹茶は、海外でも今や日本のスーパーフード「Matcha」として高い知名度を誇るようになり、その健康効果に注目が集まっています。

海外でも抹茶をお菓子や飲み物に使用されることが増えていますが、特に日本の抹茶を使った「Matcha Latte」(抹茶ラテ)は、海外の多くのカフェでメニューに登場し、世界各国で増えている抹茶専門カフェも年々増加傾向にあります。

パンにあんこ

あんぱんといえば、外国人の支持率1位ということもあり、いわずと知れた日本を代表する菓子パンです。あんパンをモチーフにした、国民的ヒーローもいますしね。

あんぱんを生み出したのは、老舗パン屋・「木村屋」です。木村屋は1869年(明治2年)に木創業された日本の老舗パン屋です。

当時パン食が徐々に日本にも取り入れられてきましたが、当時のパンは硬めで水分の少ないものが主流でした。

お米や玄米が主食の日本人にとって、あまり好みではなく、中々一般家庭に普及しませんでした。

そこで木村屋は、酒饅頭の酒種(米と麹から作られた種)を利用することによって、日本人に受け入れられやすそうな、ふんわりとしたパンを作れると考案したのです。

そして酒種発酵種によって作りあげたパン生地であんと桜の塩漬けを包み、初めてのあんぱんが誕生しました。

「パン」という欧米から渡来した食文化と「あん」という日本古来の素材が、うまくミックスされたあんぱん。当時の朝日新聞の記事でも、「こうした創造力が日本らしい文化だ」としてアンパンが紹介されています。

実は、あんパンやクリームパンなど、具を包むタイプは「日本独特のパン」なのです。

ちなみに、4月4日は「アンパンの日」になっています。その理由は、明治天皇があんぱんを召し上がってアンパンをお気にめした日だからだそうです。

パンに焼きそば

高校生の昼飯の定番といえば、「焼きそばパン」。「焼きそばパン」の起源は、東京都荒川区の「野澤屋」です。

1950年代、「野澤屋」はコッペパンと焼きそばを別々に販売していました。すると、お客さんから「面倒くさいから挟んで」と言われたのがきっかけだそうです。

リクエストに応えて作ってみたところ爆発的にヒットし、東京中に広まったといわれています。

しかし、パンと焼きそばの炭水化物×炭水化物は海外では驚きのようですね。

日本人からするとあまり違和感がありませんが、力うどん、ラーメン定食など、海外からすると結構異様なものに見えるらしいですね。

餅とあんこに苺

苺大福は外国人たちから、圧倒的な支持を受けています。

餅はみたらし団子やわらびもちもそうですが、とにかくモチモチした食感が好評です。

特に、アメリカ人からの支持が高く、アメリカではマシュマロやわたあめのようにフワフワな食感のお菓子も多いので、近いものを感じているのかもしれませんね。

そんな大人気の餅に苺とあんこをミックスするという、斬新な発想と絶妙な味が評判を呼び、日本を代表するお菓子となっています。

いちご大福が誕生したのは昭和60年(1985年)のことです。和菓子屋「大角玉屋」の社長が、新聞のコラムで「洋菓子・ケーキの時代がそろそろ終わり何かのきっかけがあれば和菓子の時代が来るだろう」という記事を読んだことで、和菓子の時代の到来に向けて新しいお菓子を試行錯誤の末、産みだしたということです。

生の果物にあんこに餅…中々思いつく発想じゃないですよね。完成までには相当な試行錯誤があったと思われます。

揚げパンにカレー

御総菜パンの定番中の定番「カレーパン」。カレーとパン、どちらも洋風な食べ 物ですが、カレーパンの発祥が実は日本なのです。

カレーパンが開発された当時は洋食がブームとなっていました。

カツレツとカレーライスは人気の食べ物だったわけですが、カツレツとカレーライスの良いところを合わせてパンを作ろうということから、「パンを揚げる」カレーパンが作られるようになったのです。

当時、カツレツは高価で庶民のあこがれの食べ物でした。そこで安くてあこがれのカツレツに似た味のカレーパンは瞬く間に人気になりました。

お総菜パンを食べたことの無かった外国人にとってカレーパンは驚きのパンでした。

「こんなパン食べたことがない!」と多くの外国人が虜になってしまうようです。

さらにカレーパンは、パン屋さんのみならずコンビニエンスストアなどで気軽に購入でき、価格も安いといったことも外国人を魅了しているようです。

ピッツァに照り焼き

「照り焼き」は日本で生まれた調理法です。醤油と日本酒と砂糖等を合わせたタ レをあらかじめ煮立てて、それを食材の両面に塗りながら焼くという調理法です。

照り焼きは海外での評判もよく、特にアメリカでも「TERIYAKI」という言葉が使われるほど、人気が高いです。

ピザは世界中で食べられていますが、実は日本では独自に進化したメニューが多くあり、その代表格が照り焼きピザと言われています。

宅配ピザの人気ランキングを見ると、どこの宅配ピザでも照り焼きピザは常に上位に入る人気を誇っています。マックなんかでは「テリヤキバーガー」も人気ですね。

日本独自の根強い人気を誇る「照り焼き」を活用しているからこそ、ロングランヒットになっているのでしょうね。

パスタに明太子と海苔

パスタの本場と言えばイタリアですが、イタリアのパスタやスパゲッティはシンプルな味付けが多くて、日本ほど種類は多くありません。

日本では納豆とか、大根おろしとか、和風パスタ、ピリ辛カルボナーラなどパスタのバリエーションが豊富です。中でも明太子スパゲッティは本場イタリアの人にも大絶賛です。

パスタとしての完成度が高く、トマトソースやぺペロンチーノに負けていません。

「明太子」をソースにしてしまうという発想がスゴイ、と評判です。そして明太子パスタに欠かせないのが、海苔です。

海苔を添えることで旨味が増し、海のものをいただいている感がより楽しめます。

スパゲッティにケチャップ

明太子パスタのように日本で生まれたパスタ料理は数多くありますが、その元祖ともいえるのが「ナポリタン」です。

ナポリタンの発祥の地は、通説では1927(昭和2)年に横浜・山下町で開業した老舗「ホテルニューグランド」です。当時は太平洋戦争終結後であり、日本はマッカーサー率いるGHQの占領下に置かれました。

「ホテルニューグランド」の2代総料理長の入江茂忠氏は、GHQ進駐軍の兵士がケチャップで和えただけの具なしスパゲッティを食べているのを見かね、ケチャップの代わりに生のトマトとタマネギ、ニンニク、トマトペースト、オリーブオイルを使ったトマトソースを考案しました。

そこにハムとマッシュルームを加えて、「ナポリタン」を完成させたのです。

本格的なパスタ料理が手軽に楽しめるようになった今でも、ナポリタンは家庭料理の定番としてはもちろん、喫茶店や洋食屋、学食、レストランなどの人気メニューとして、幅広い年代の人々に愛されています。

一部ではパスタにケチャップを入れるという調理方法が本場イタリア人の反感を買っているという噂もあるそうですが、美味しいものが美味しいですからね。

サンドイッチにクリームとフルーツ

サンドイッチ用のパンに、フルーツと生クリームを挟んだ「フルーツサンドイッチ」。

実は日本オリジナルで、昭和の初期にはすでに食べられていた100年近い歴史をもつ料理なんです。

サンドウィッチの一種ですから手軽に食べられますし、ケーキほどしつこくないので、あっさり食べられます。

最近コンビニのサンドウィッチコーナーでも取り扱われるようになり、その人気は不動のものになりました。

ただ、事としてサンドイッチを常食しているアメリカの人たちには、特に奇妙に見えるようです。

【まとめ】日本人の発想に驚き感謝すること。食事編。

日本人の発想に驚き感謝すること。食事編。

珈琲に氷
ラテに抹茶
パンにあんこ
パンに焼きそば
餅とあんこに苺
揚げパンにカレー
ピッツァに照り焼き
パスタに明太子と海苔
スパゲッティにケチャップ
サンドイッチにクリームとフルーツ

海外入ってきた異文化の食事に日本独自のアレンジを加えて、みんなに愛されるメニューを数々生み出してきた日本人。その発想力と創作力に感謝ですね。

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